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【種別】 偽名・人名 【元ネタ】 名前はロシア語の男性名、Михаил(Michail)= ミハイル から。 ミハイルの一般的なニックネームはミーシャ。 大天使ミカエル に由来する名前で、英語圏ではマイケルに相当する。 【初出】 四巻 【解説】 『御使堕し』でサーシャ=クロイツェフに降りてきた天使、 『神の力』が名乗っていた名前。 おそらく大天使ミカエルから取ったものと思われる。 『天使は造られた目的たる自分の名を交換できない』はずなのだが、 ガブリエルが何故『ミーシャ』を名乗ったのかは全く触れられなかった。 長年謎のままにされてきたが、 フィアンマの言により四大元素の歪みが原因であるらしいことが判明した。 作中では一度もこの件に言及されず、 四大元素の歪みという事実が明かされた際には神の右席であるヴェントですら驚愕するというあたり、 かなり根の深い問題のようである。 『御使堕し』で墜ちてきた際は、自分の元来いた位階に戻るため、 ミーシャを名乗り『御使堕し』の実行犯を探していた。 犯人が上条刀夜と発覚した時点で本性を現した。 あらゆる手段を用いて彼を殺害しようとしたが、神裂に足止めされ失敗。 土御門の赤ノ式(あかのしき)による狙撃により、 『御使堕し』の核であるおみやげ魔法陣が根こそぎ吹き飛んだため、元来の位階に戻っていった。 なお、初めて口にしたガムが気に入ったようで、当麻から何枚ももらっていた。 「(前略)甘味は良いな。糖の類は長寿の元とも言うし、神の恵みを思い出す。」 『御使堕し』事件の際はその経緯から不完全な顕現であったが、 それでも天体制御、神戮、水翼など理不尽なほど強力な魔術を自在に行使し、 聖人である神裂すら圧倒する実力を持つ。 後にフィアンマがサーシャを素体とし、『御使堕し』を元に組まれた術式により再召喚された。 『自動書記』の遠隔制御霊装を組み込んだ杖により、フィアンマの意志に従って戦闘を開始。 風斬氷華が部分的に解読した言葉によれば、 「天界の元々居るべき正しい場所へ帰還することが目的であり、利害の一致からフィアンマに協力している。 目的のためならあらゆる被害は厭わない、帰還を邪魔するものは悪」……ということのようだ。 また、同じく風斬の見立てによれば内部に『火』が混じっているように見受けられ、 「違うフォーマットの力が強引に混ざっている」状態になっているらしい。 この際もまた、世界の歪みや不完全な術式によって完全な状態での顕現ではなかったが、 学園都市の超科学兵器をなぎ払い、 二人掛かりで挑んだカーテナ=セカンドを振るうキャーリサと、 フランス全土の力を受けたデュランダルを持つ傾国の女を軽くあしらい、 科学の天使である風斬氷華と最強の超能力者・一方通行の二人を同時に相手取って優勢。 撃破にはアックアがその身に『神の力』を引き寄せることで力を50%程まで減衰させ、 上条がその存在を支える儀式場を破壊した上で、 一方通行が風斬のAIMを全力でたたき込まなければならなかったという、 大天使の名に恥じない圧倒的な能力を持つ。 一方通行達との激戦により一時消滅していたが、 フィアンマにより四大属性の揺らぎが正された事で、ミカエルの力と混ざり合った状態を改善。 純粋な意味での『大天使』として復活した。 足りない力を取り戻すため、北極海の氷を目指して侵攻を開始する。 しかし、落下するベツレヘムの星に残っていた上条の操作により、 北極海上にてベツヘレムの星が直撃。 海中に没しつつある要塞の下層部にて上条と激突し、幻想殺しを受けて消滅した。 なお、『死』を迎えた訳ではなく、 顕現する力を失ったことで元の位相に戻っただけだと推測されている。 21巻著者近影で触れられている通り、魔術・科学両サイドの精鋭が激突しているため、 ある程度の強さの指標にもなる。 フィアンマ曰く、50%の出力でも一方通行と風斬に勝利することが可能。 それでいてフィアンマ自身は完全状態のミーシャより強いと言うのだから手に負えない話である。 また、相対したキャーリサ曰く、「人の手で倒すための糸口すら見つからない」。 一方通行曰く、「対策の糸口すら見つからないエイワス程じゃない。勝てる」 (ただし完全には反射できない範囲限定『一掃』を受ける前の評価。) 【口調】 「問一」「解答一」「私見一」など、文の概要を頭に置く。 サーシャも似たような口調を持つため、その影響と思われる。 「問一。『御使堕し』を起こしたのは貴方か」 「私見一、とてもつまらない解だった」 本性を表した後は言葉にノイズが混じる。エイワスや黒翼の一方通行にも似た現象が起きている。 「――――q愚劣rw」 【参照】 →神の力(ガブリエル)
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【種別】 識別名 【初出】 十三巻 【CV】 牛田裕子 【解説】 猟犬部隊に所属している、部隊員のコードネーム。 一方通行を追い第三資源再生処理施設に向かった班の一人。 性別は女で他にも数人の女性隊員が存在するらしい。 対人戦術を練った一方通行の手により、下顎を吹っ飛ばされた上にプレス機で押し潰された。 ヴェーラがプレス機を止めたようだが生死は不明。
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PSX2PSP ※PS1のゲームをPSP用に変換するツール。 ※予めPS1のゲームはCDイメージ化させる必要あり。 CD Manipulator 使い方 「ISO/PBP File 」の「...」ボタンをクリックしてCDイメージを選択する。 ディスクが複数枚の時はプルダウンから2枚目以降を選択する。 「Output PBP folder 」の「...」ボタンをクリックして保存先を指定する。 デフォルトでも問題ないがアイコンと背景の画像を変更したい場合は、「Icon image 」、「Background image 」をそれぞれ変更する。 「Preview」ボタンを押せばどのように表示されるか見ることが出来る。デフォルトでは下図のように表示される。 6. 最後に「Convert」ボタンを押せば変換が開始される。 遊び方 正常に変換が完了していれば保存先にゲームIDでフォルダが生成され、中に変換されたデータが保存されているはずなので、PSPの「PSP/GAME」にゲームIDのフォルダごとコピーする。 ダウンロード バージョン ダウンロード PSX2PSP v1.4.2 ミラー
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【種別】 人名 【初出】 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟- ただし、とある魔術と科学の群奏活劇の方が作品のリリースは早い。 新約九巻で名前のみ登場 【CV】 三澤紗千香 【解説】 宇宙エレベーター『エンデュミオン』開通に賑わう学園都市で、 上条当麻とインデックスが出会った『無能力者(レベル0)』の少女。高校一年生で、自身の発言よりおそらく所属は霧ヶ丘女学院と思われる。 毛先を結んだ鴇色の長髪と、鳥のエンブレムがついた水色の鳥打帽子が特徴。劇中で歌姫として活躍する際は、様々なアイドル衣装に変遷する。 本編開始の3年より前の記憶を失っており、今の名前は施設で与えられたもの。 性格は明朗快活だが、インデックスへの突っ込みに咄嗟にアイアンクローを繰り出したり、 食事中に「歌を歌って」とねだられてデスメタ調の曲を口ずさむ等、若干ズレた部分も。 また、その食欲はインデックスが認め、意気投合するほどに旺盛。 歌うことが好きで、路上ライブを行いながらメジャーデビューを目指しているほか、 ライブでは自主制作CDを配布したり、インターネット上でも彼女の楽曲がダウンロードできる。 既に一部では人気が出始めており、 噂好きの佐天涙子も歌手「ARISA」の情報をキャッチしていた。 その正体はオリオン号事件の際、シャットアウラ=セクウェンツィアの『大事な物を失ってもいいからみんなを助けて』という祈りが奇蹟という形で具現化した存在。 彼女の『音楽の才能』を宿した少女の肉体を持ってこの世に現出し、その能力でオリオン号の乗客乗員87名の命を救ったと言われている。 その代償としてシャットアウラは『音楽を認識する脳機能』と『父親』を失った。 またアレイスターによると、レディリーがオリオン号に施した術式も、彼女が生まれた原因のひとつであるらしい。 魔術側からは聖人あるいはそれと同等の何かを持っているとされており、イギリス清教が監視していた。 このように超常的な存在でありながらも、上条当麻の幻想殺しで触れられても消滅しなかったところから、 魔術でも超能力でも説明のつかない存在となっている。 ゲームでは神裂に監視され、聖人かどうか見定められている。聖人判定というものらしい。 九月十一日ではストリートライブをしていたとき、スキルアウトに絡まれていたところを御坂美琴に助けられる。 その時彼女の電話番号をもらっている。 劇場版のストーリーでは、奇蹟を起こすその体をレディリー=タングルロードにかけられた不死の呪いを解く魔術の核に利用されそうになる。 終盤に真実の記憶を思い出した彼女とシャットアウラが再び一つに戻り、その歪曲が奇蹟を起こし崩壊寸前だったエンデュミオンから観客や学園都市を救った。 その後どうなったかははっきりと説明されていない。 少なくともシャットアウラの中に解けて彼女の好きなものを思い出させたのは事実である。 その生まれ方の性質上異能の分類に入るにもかかわらず、幻想殺しに触れても消えなかった。 それを置いても上条は彼女を「幻想なんかじゃない」、「歌の好きな普通の少女」として以前と変わらない目で見ている。 【口調】 特徴的な部分はないが、上条の事を「当麻くん」と呼ぶ貴重な存在。 例)「インデックスちゃんと当麻くんて、どういう関係?」 【余談】 彼女が起こしたとされる奇蹟には必ず傷つく人が現れる。 オリオン号事件のときにはディダロス=セクウェンツィアが死亡し、 ライブの爆破事件では上条当麻が頭をけがしている。 また、漫画版のおまけ漫画で日課として歌いながら散歩をしている。 歌っていると周りが見えなくなるとしているが、「3巻の上条と一方通行の決戦」と「8巻の残骸を巡る黒子と結標の決戦」の作中の初期で高レベルの戦いに「戦ってる場面の近くにいるのに戦闘に巻き込まれていないどころか、その戦いの当事者にさえいることを気づかれていない」というあり得ない体験を無意識のうちにしている。 更に言えば3巻の戦いでは二人の台詞から上条が駆けつけた時から一方通行がプラズマを作ったときまで近くにいた可能性もある。 鳴護アリサは「願いの集積体」であるという点で、上条当麻の『幻想殺し』や、上里翔流の『理想送り』と非常によく似ている。
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そういえば今朝の出費で上条の所持金はほぼ0だった。 「………………不幸だ」 一旦寮に荷物を置いてから、クラスメイトの青髪ピアスの居候先のパン屋でパンの耳でも貰うことにした上条。パンの耳なんて成長期の男子高校生にとっては『オヤツ』にすらならないのだが、無いものは無いのだから仕方ない。 明日担任の小萌先生にお金を借りようと思いながら、寮のオートロックを抜ける。他の住人達は夏休み初日ということもあって、皆一様にどこかで夏を満喫しているようだ。 夏休みであろうが無かろうが関係なく無人の管理人室を過ぎて、豚箱のような狭苦しいエレベーターに乗る。 上条の部屋がある七階に着いて、ガコンというボロさを主張するかのような振動と共にエレベーターが止まった。 「ん?」 と、上条はすぐに気付いた。エレベータホールから通路に出てその奥――自室の扉の正面で、清掃ロボが三台ほどたむろしている。清掃ロボットはこの寮には五台しか配備されていないはずなのに、なぜこんなに固まっているのか。 故障しているわけではなさそうだ。むしろ職務を果たそうと頑固な汚れに挑んでいるように見える。 ……なんか、すさまじい不幸の予感。 そもそもあの手の清掃ロボはアスファルトにこびりついたガムだって瞬殺するのだ。それが三台も集まっているのに落ちない汚れとはいかなるものか。 もしかしてチンピラみたいな格好をすればモテるなんていう幻想を未だに持ち続けている悪友であり隣人の土御門元春が、酔っ払って胃の中身を綺麗に曝け出したんじゃあなかろうかと上条は恐れ慄く。 「まさか、な……」 何にしろ見ない方が身の為だとわかっているのだが、悲しきかな人間には怖いもの見たさという何の役に立つのか分からないものが巣食っている。 そろりそろりと足を進めて、やっとそれが視界に入った。 モヤシでチンピラな超能力少年一方通行がぶっ倒れていた。 「…………………………、はー」 ドラム缶三台がガコガコと体当たりを繰り返すも、一方通行は身じろぎ一つしない。そもそもああいうロボットは人間や障害物を避けて通るようになっているはずなのだが、自称ゴミ以下のクソ野郎は清掃ロボットにもゴミ以下のクソ扱いされているのだろうか? 「…。ちくしょう、不幸だ」 そんなことを言いながらも、上条は無意識に笑っていた。 やはり気になっていたのだ。『妹達』なんてトンデモ話は信じられないが、妙な研究所が妙な技術を使って彼を追い回している、とも考えられる。 それが変わらない、前と同じ姿で見つけられたのが嬉しかった。 そんな細かい理屈を取っ払っても、また出会えたことが無性にただ嬉しかった。 何に使うのか分からない電極、ただ一つの忘れ物。それを上条は思い出す。それが、何故だかおまじないのように思えてくる。 「何やってるんだよお前、こんなところで!」 走り寄りながら声をかける。それだけの動作で何故こんなに心が弾むのだろうと上条は思う。 一方通行はまだ反応しない。 なんとも唯我独尊な『一方通行らしい』反応に笑みを漏らして、 一方通行の体が血に染まっていることに、ようやく気付いた。 「……、え……?」 戦慄するより前に、困惑する。 固まっている清掃ロボットに隠れて見えなかった。うつ伏せに倒れた一方通行の手が、額を押さえている。まるで頭痛でもするかのような仕草、しかしそこから止めどなく溢れる鮮血が、その前髪と服の白を鮮烈に塗り潰していく。 その時上条は、それが『人の血』であることが理解出来なかった。 たった今とついさっき。あまりに大きな落差を伴う現実が、頭の中をかき乱す。赤くて赤い真っ赤な……絵の具かなにかだろうか? あの一方通行が真っ白なキャンパスの前で筆を構えて、なんてなんとも似合わない図を妄想しても、上条は笑えない。 笑わないでなく、笑えない。 そんなこと、出来るはずもない。 清掃ロボットが三台、床の汚れを拭っている。床を汚す赤を、一方通行の額から流れる赤を。 くたびれた雑巾を絞るように、一方通行の体から血液を一滴残らず搾り出すように。 「……やめろ、くそっ! やめろ!!」 やっと上条の認識が現実に追いつく。致命傷を受けている一方通行に体当たりを繰り返す清掃ロボットを、強引に引き剥がしにかかる。 しかし馬力もさることながら、盗難対策の為に重量もある清掃ロボットはなかなか動かせない。 無論清掃ロボットは一方通行の傷口を広げたいわけではなく、単純に『床を汚し続ける液体』を拭っているだけだ。それを理解していても上条には清掃ロボットが死肉に群がるハイエナのように思えた。 そうまで感じているのに。ただの清掃ロボットを、上条は引き剥がすことすら出来ない。引き止められるのは一台が精一杯で、その間に残り二台が『液体』へ群がっていく。 神様すら殺せる男のくせに。 こんなガラクタに翻弄されてしまう。 一方通行は身じろぎ一つしない。元から異常なまでに白かった肌は、最早死人のそれのように蒼白だった。 「ちくしょう、畜生!!」錯乱状態に近い上条は叫んでいた。「どうしたんだよ、何が起こったんだよこれは!? なめやがって、一体どこのどいつがこんなことしたんだよ!!」 「私達『妹達』ですが? と、ミサカは返答します」 そして当然、背後から降ってきた声は、一方通行のものではない。 喰らい付かんばかりの勢いで上条は体ごと振り返る。エレベーターの音はしなかったから、その脇にある非常階段から少女はやってきたのだろう。 その少女は上条より低い身長で、顔も上条より幼く見えた。 歳は恐らく中学2、3年といったところか。肩程度の長さの茶髪に半袖の白いブラウスとサマーセーター、灰色のプリーツスカート。あれは確かこの街の中でも有数のお嬢様学校、常盤台中学のものだ。ただしコイツを『ただの女子中学生』と形容する人はこの世にいないだろう。 まず真っ先に目に付くのがごつくて真っ黒のアサルトライフルだ。無骨というよりは機能美的で無機質な兵器。次に目に付くのが額にかけられた、ゴツい暗視ゴーグルのようなもの。 そしてなにより、その目。焦点が酷く曖昧で何を見ているのか何も見ていないのか分からない、感情の無く暗い瞳。 学生とも、ましてや軍人とも呼べない少女。 上条は、通路に立つ少女を始点に周囲の空気が塗り潰されていくのを感じる。 『日常』から『非日常』へ。 『普通』から『異常』へ。 その時上条は恐ろしく思ったし、それより強く怒ってもいた。 だが、それ以上に。上条が感じたものは『戸惑い』だった。幼い頃から住んでいるこの街、学園都市。それが決して謳い文句通りの平和で美しいだけの街ではないことは知っていた。 開発では得体の知れない薬物を投与されてきたし、路地裏のスキルアウトには数え切れないくらい追われてきた。 だが、それでも上条は知らなかった。この街の『裏』の本当の顔を。 彼女が、『妹達』。 今この時、この街はそんなものを平気で作ってしまうような『裏の顔』を曝け出していた。 「これはまた派手に決まってしまいましたね、とミサカは独り言に近い感想を述べます」 妹達(一人称はミサカのようだがそれが名前なのだろうか)はその感情の無い瞳を一方通行に向ける。 「まだ息があるようなので能力が使えなかったわけではないのでしょうが……、途中の血の跡はその清掃ロボットが拭ってしまったのですね、とミサカは確認します」 妹達は今も一方通行に集っている清掃ロボットに視線を向ける。 『途中の』ということは一方通行はここでは無い場所で撃たれて、ここまでわざわざ戻ってきたのだ。 「でも、何で…?」 「一方通行がここまで戻ってきた理由ですか? とミサカは確認を取ります。私にも詳しい事情は分かりませんが、頭を撃ち抜かれた後にポケットなどを探って何かを探すようにしていたような、とミサカは思い出します。逃走に移ったのはその後だったので、何かこの辺りに忘れ物でもしたのではないですか? とミサカは推測を述べます」 『忘れ物』。そんなもの一つしかない。 (あの、電極……?) 一方通行が残していった唯一のもの。何に使うのかも分からない電極。 だが、きっとそれは一方通行にとっては重要なものだったのだ。能力を使う為に必要なのか、能力を破られた時に必要なのか。 推測しても答えはでない。が、分かっていることが一つ。 一方通行がそんな大切なものを不用意に落とさなければ、きっとこんなことにはならなかったのだ。 「……とんだ馬鹿野郎じゃねえか」 そして上条があの時、すぐに後を追って電極を渡していれば。 上条が繋がりなんて求めなければ、きっとこんな最悪なことにはならなかったのだ。 「……とんだ大馬鹿野郎じゃねえかよ、俺は!!」 思えば彼は最後、意図的に上条と距離をとろうとしていたような気がする。来るなとも言われた。 それなのに上条が勝手にしがみ付いて足を引っ張って、結果がこれだ。 上条は許せなかった。 勝手に一人で戦って勝手に一人で血塗れになった一方通行が。そんな一方通行の額を撃ち抜いた妹達が。そして何より、人に不幸を押し付けた自分自身が。 「そんなに睨まれても困るのですが、とミサカは困惑します」 妹達はそういいながらも顔色一つ変えずに続ける。 「確かに一方通行を撃ったのは私ですが、まさかあんなに簡単に銃弾が当たるとは思ってもみませんでしたし、とミサカは当時の状況を振り返ります。一方通行の能力は絶対防御であり、本来はあれくらい『反射』出来るはずなのです、とミサカは説明します。核爆弾が落ちてきても傷一つつかないという謳い文句だったはずなのですが……とミサカは疑問を抱きます」 半ば独り言のように、最後まで一切の感情を滲ませずに、妹達が淡々と述べる。 それが一層、上条の感情を逆撫でする。 「なんなんだよ、何考えてるんだよ。俺はお前みたいなクローンのことなんかよく分からないし、お前がどんな世界に生きているのかも分かんねえよ。それでもお前等にだって心はあるんだろ? 痛みとか苦しみとか感じられるんだろ……?」 そんなこと、上条が言えたことではないのは分かっていた。 この惨状の原因の一端は、確実に上条にあるのだから。 それでも、言わずにはいられない。 「こんな細っせえヤツを寄って集って追い回して、銃弾ぶち込んで!! こんな現実を前に、テメエは何も感じないのかよ!!」 「だから、そもそも銃弾が当たるとは思っていなかったのですが、とミサカは再度説明します」 それでも、彼女は一言で返した。僅かにも微かにも、揺れていなかった。 「もっとも、彼がどうなろうが実験は続けられますが、とミサカは分かりきったことを告げます」 「じっ、けん?」 意味が分からない。 「……念の為パスの確認を取ります、とミサカは有言実行します。ZXC741ASD852QWE964、とミサカはあなたを試します」 「パス? さっきから一体何を……」 「どうやらあなたは実験の関係者では無いようですね、とミサカは今更ながら確認します。一方通行と言葉を交わす人間なんて実験の関係者くらいだと思っていたのですが、とミサカは僅かに驚きます。一方通行とは個人的な知人か何かなのですか? とミサカは質問します」 「そういえば一方通行もなんか言ってたな。実験ってなんなんだよ? お前等と一方通行と、どんな関係があるんだ?」 「お答えできません、とミサカは即答します。というかミサカの質問はスルーなのですね、とミサカは不満を滲ませます」 上条は黙って妹達を睨む。『不満を滲ませる』などとのたまいながら、彼女の顔には一切の表情が無い。その様は機械よりも機械的で、その挙動はまるで操り人形のようで。 上条は少し彼女のことを理解する。きっと彼女は、『正しさ』なんて考えていない。それを正しいと『信じる』人々からの命令に従っているだけで、それが間違っているか否かなんて判断はきっと無い。 「まあそれはいいでしょう、とミサカは閑話休題を宣言します。それよりもミサカは早く一方通行を回収したいのですが、とミサカは申し出ます」 「かい……、しゅう?」 だからこそきっと彼女のその発言にも、特に意図はないのだろう。そういう表現をしただけだ。 「ええ、回収ですよ、とミサカは繰り返します。詳細は語れませんが、一方通行は実験に欠かせない個体なので、早急に回収してしかるべき処置を施さなくてはならないのです、とミサカは漠然とした情報を告げます」 その発言にも、だ。きっと他意は無い。人を人とも思わないような、まるでその実験に支障がなければ一方通行がどうなろうと知った事ではないと告げるようなその内容にも。 もう少し深く、上条は理解する。きっと彼女達だけではなく、その背後にある研究者たちも『正しさ』なんて考えていない。得体のしれない『実験』の為ならば一方通行だろうが妹達だろうが使い潰すような、人を道具としか考えていない意思が妹達の背後に透けて見える。 上条は全身に鳥肌が立つのを感じる。皮膚の内側から蛆虫が沸いて出るような不快感が体中を駆け巡る。 科学宗教、という言葉が脳裏に浮かぶ。 道徳も人権も完全に無視したその考えに上条は強い拒否感を覚えた。 「……やらせねえよ」 言って、拳を固く握る。眼差しはまっすぐ妹達に向けて。 「それは、実験妨害の意思表示と取って間違いありませんか?とミサカは問います。第三者が実験の障害となる場合、ミサカはそれを迅速に排除する義務があります、とミサカは警告します」 「ああ。止めてやるよ。そんな胸糞悪い実験、この場で終わらせてやる!!」 咆哮と同時に、爆ぜるように駆け出す。 右の拳を更に強く、砕けんばかりに強く握り締める。 上条の右手は不便だ。作用するのは異能の力だけで、銃なんかには全く歯が立たない。 けれどそんな右手でも、ただの人間をブン殴ることには何の支障も無い。 「実験を妨害する意思を確認、これより検体番号10032号は対象の排除に移ります」 それでも妹達――10032号は機械的に宣言する。 そしてその間に上条は妹達との距離を半分に詰める。 「降伏の意思が認められるか、或いは行動不能に追い込むまで攻撃は継続しますので、速やかに降伏して頂ければ幸いです」 そう上条に告げた10032号は、持っていたアサルトライフルをようやく構える。 が、遅い。もう上条は彼女の眼前まで迫っている。 銃なんてものは単純だ。銃口をこちらに向ける前に銃身を押さえてしまえば、もうそれはただの鉄の塊なのだから。 10032号の言葉の一切を無視して駆けた上条は、右手を真っ直ぐ銃身に向かって伸ばす。 10032号の指は引き金にかかっていたが、それが引かれるより早く上条の右手が銃身を捕らえた。 (捕った!!) アサルトライフルを掴んだままの右手を強く右に払う。銃を奪うことは出来なかったものの、銃口は上条から大きく逸れた。 目の前には、それでも無表情な顔と、がら空きの腹。 勝利を確信した上条が、左腕を振りかぶった瞬間。 10032号の額から、凶悪な電撃が迸った。 「なっ!?」 とっさに後ろに仰け反りながら、右手で顔を庇う。 運よく右手に触れた電撃が、バチバチと音を鳴らしながら四散した。 (こいつ、能力者なのか!?) 怪訝な顔をしている10032号を尻目に、上条は思い出す。 今朝、一方通行は妹達のことをなんと言っていたのかを。 『妹達ってのは学園都市第三位『超電磁砲』のDNA マップから作られた二万体のクローンの総称だ』 (そういえばこいつらは学園都市最強の電撃使いのクローンだった。待てよ、ということはまさか妹達って全員レベル5!?) 上条の全身から気持ちの悪い汗が噴出した。無意識に一歩、二歩と後ずさる。 いくら上条の右手が異能の力を打ち消せるといっても、レベル5級の相手にそう簡単に勝てるわけでは無い。上条の右手はあくまで異能の力にしか作用しないので、能力の余波で飛んでくる瓦礫などは防ぎようが無いのだ。 それがただの能力者ならば痛いで済む。だが相手がレベル5となれば話は別だ。 その能力が『災害級』と称されるならば、その余波もまた『災害級』なのだから。 「……? やはり電子線を追えない状態での能力の使用は安定しませんね、とミサカはゴーグルを装着します」 上条が電撃を打ち消したことを理解しきれていないまま、額にかけていたゴーグルを下ろす10032号。そこでようやく上条は我に返る。 銃口がこちらを向いていた。 上条は先の電撃を『右手』で打ち消した。そうするしか無かったので仕方無いのだが、結果アサルトライフルは今いつでも撃てる状態にある。 (マズ……ッ!!) 上条と10032号の距離はたったの数歩。だがその距離を詰めるより早く、引き金が引かれる。 オモチャの拳銃のように安っぽい銃声が、本物の破壊の後を追った。 掃射が終わってみれば、辺りはもはや廃墟のようだった。床も壁も銃弾で容赦なく抉れ、通路奥にいた清掃ロボットにまで銃弾が数発めり込んでいた。 「やりすぎましたね、とミサカは前方を視認します」 まるで銃を持ったテロリストが暴れまわったかのような(実際そんな感じなのだが)惨状を前に、10032号は相変わらず無表情で呟く。 この寮、及び周囲に人がいないことは確認済みだ。夏休み初日なので住民は全員外出しているし、周囲にはそんな若者が集う場所は無い。 だが、その全てが帰宅せずに徹夜もしくは泊まりで遊びほうけるということは無いだろう。 実験は秘密裏に行わなければならない。なのでそれらが帰宅する前に、この惨状をどうにかしなくてはならないのだ。 「……まあなんとかなるでしょう、とミサカは無責任にため息をつきます。というか危うく一方通行にも当たるところでしたね、とミサカは自分の無計画さを反省します」 そもそも10032号も上条を必殺しようとしていたわけではなく、行動不能に陥らせようとしていただけだ。故に銃口は意図的にやや下に向けていたのだが、壁や床で跳弾したのだろうか。何にしろ、一方通行を回収するために一方通行を撃ち抜いてしまっては笑えもしない。 「まあもう撃ち抜いているのですけどね、とミサカは小粋なジョークを飛ばします。まあついでにもう片方にも釘を刺しておきましょうか、とミサカは手すりから身を乗り出します。」 「し、死ぬ! やばい! 本当に死ぬかとおもった!!」 掃射が始まる寸前に七階の手すりを越えてノーロープバンジーに挑戦した上条は、六階の廊下で膝をついて荒い呼吸を繰り返す。心臓が左胸で暴れまわっているのを感じながら、とりあえず射程距離から外れて一息つこうとしていたのだが。 「はろー、とミサカは場違いな挨拶をします」 降ってきた声に慌てて上条が振り返ると、10032号が上の階の手すりから身を乗り出してこちらを見ていた。 手には当然アサルトライフル。 「嘘だろ、なんでそんな不安定な姿勢で撃てるんだ!?」 弾かれるように走り出す上条の後を銃弾が追う。床が爆ぜ、ドアに風穴が開き、消火器が弾けとんだ。 先ほどとは違いまだ逃げようがあるものの、それでも一直線に逃げていたのではではいずれ捕まってしまう。 咄嗟に上条は真横の非常階段への扉を蹴やぶって転がり込む。下へ下へと階段を降りながらも、背後から容赦なく安っぽい銃声が追ってくる。 (そもそもこっちは丸腰だってのに……ッ) 卑怯だ、と思う。とはいえそんな言い分はこの場で通用するとも思えない。 しかし実際問題、あんな物騒な銃を持った相手を素手で倒すことなんて出来るのだろうか? 先ほどのように至近距離からの不意打ちでも決まれば話は別だろうが、一度これだけ距離を離してしまってはそれも適わない。 しかも相手は能力まで持っている。さっきのはレベル3程度の電撃だったが、最悪レベル5クラスであっても不思議ではない。 だからといっていくら上条が頑張ったところで、ちゃちな拳銃一つだって手に入らないだろう。よしんば手に入ったとしても相手はアサルトライフルだ。勝ち目なんてあるはずも無い。 そこまで考えて、上条の思考は強引に断ち切られた。 何故なら、上条の向かう先――階段の踊り場に手榴弾が投げ込まれたからだ。 「なっ……!? こんな物騒なものまで使うのかよ!!」 爆発寸前の手榴弾を前に、上条がとった行動はシンプルだった。 今まで下ってきた階段を引き返すのではなく、更に階段を下るのでもなく。 そのまま加速して、手榴弾ごと踊り場の手すりを飛び越えた。 背後で手榴弾が弾ける音を聞きながら、上条は着地地点を確認する。二階と三階を繋ぐ階段だったので死にはしないだろうと思って飛んだのだが、見れば下は自転車置き場だった。 「わっ、うわわわわああああ!」 がしゃんごしゃんと自転車をなぎ倒しながらも、なんとか着地する。 あちこち擦りむいたり切ったりしたが、大した怪我は無いようだった。 「って、安心してる場合じゃねえ!!」 上条は慌てて頭上を仰ぐ。非常階段まで撃ってきたのだから、恐らくまだ10032号の射程範囲から外れてはいないだろうからだ。 案の定、半ば手すりに腰掛けるようにしている10032号と目が合った。慌てて起き上がって逃げようとした上条だったが、10032号はしばらく上条の顔を見た後、手すりから降りて上条に背を向けた。 どうやらもう追撃は無いらしい。 それが分かった途端に、上条は脱力した。膝から崩れ落ちて尻餅をつき、深いため息をつく。 まだ完全に危機を脱したわけではない。依然として上条は10032号がその気になれば撃ち抜かれる位置にいるし、一方通行のことも片付いていない。 だが逆に。上条がここからさっさと逃げ出して一方通行のことを忘れてしまえば、これ以上の危機は訪れないのだ。 10032号が撃って来ないのもそういうことだろう。つまり、今朝の一方通行と同じことを言っているのだ。 こっちへ来るな、と。 倒すべき相手も、助けるべき対象も、両者とも一様に来るなと言っている。 それらを無視してまでそこに命がけで赴く理由なんて、上条には無い気がした。 ポケットを探る。とりあえず携帯で警備員に連絡しようと思ったのだが、思い出してみればそれは今朝踏み砕いていた。 結局、ここにいても上条に出来ることなど何も無い。本当に彼を助けたいのなら、さっさと携帯を持っている人や公衆電話などを探して助けを呼ぶべきなのだろう。 例えその間に一方通行が『回収』されても。 そもそも、だ。 『じゃあついてくンのか? 地獄の底まで』 学園都市で最も強い能力者すら抜け出せないような深く暗い地獄の底。 そんなところから上条一人で彼を引きずり上げるなんて、無理に決まっているのだから。 彼の言によれば彼は人殺しで、極悪人で。 その血に塗れた手を掴む理由なんて、上条には無いのだから。
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【種別】 嘘予告 【初出】 43スレ目 146 ◆───────────────────────────────◆ ◆ とある魔術の禁書目録<インデックス>(11) ◆ ◆ ◆ ◆【著/窯也和馬 イラスト/灰村キE夕力 定価 444円】 ◆ ◆───────────────────────────────◆ 何とか使徒十字を巡る事件も解決し、美琴との賭けの為に無理を通して退院する上条当麻。 病院の入り口から歩き出すと突然自分の周りに影が過ぎる。何事かと空を見上げた彼の目に移ったのは お兄ちゃーんと叫びながら自分へと降ってくる見知らぬ少女の姿だった――。 傷も動ける程度に回復し気晴らしにと大覇星祭を冷やかしに外に出た一方通行。 初めて見る祭に騒ぎ倒す打ち止めに閉口し、音を反射したまま歩いていた彼はいつの間にか彼女とはぐれた事に気づく。 彼は呆れつつ慌てて彼女を探し始めるが・・・。 息子が病院に担ぎ込まれたと聞き急いで足を運んだ上条夫婦。しかし辿り着いた時には息子は退院してしまったという。 取り越し苦労だったかと安堵した上条刀夜は先日ぶつかった女性が怪しい長身の神父に絡まれているのを目撃し 正義感と悪癖から彼女を助けようと動いてしまう。 彼らが出会うことなく交差するそれぞれの物語が始まる――!! 科学と魔術の学園コメディ第11弾!
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/学舎の園脱出作戦 海原光貴の偽物。 夏休みに上条と戦い止められたのを見ていた。 当然、あの会話も。 「私を助けくれたことはありがとう。でも何で今更アンタが」 「ただの仕事ですよ」 「仕事って・・・・・・」 「それよりも、貴女は・・・っ」 ナイフが『偽物』目掛けて飛んでくるが、『偽物』が石のナイフを掲げるだけでまたもや分解された。 「そんな悠長におしゃべりして、敵が待ってくれるわけないじゃんかー」 「結標さん!」 彼の呼びかけと同時に美琴の背後に気配が1つ現れた。 「久しぶりね、超電磁砲」 「結標淡希!?」 かつて『残骸』を巡って対立した彼女が、今度は美琴を助けようというのだ。 「今は争う気はないわ。それに借りを作る気もないし、ただの仕事よ。ただ貴女をあの少年の所へ運ぶだけ」 美琴としては信用できない。が、あの馬鹿のこともある。今は力を借りるしかない。 最後に美琴は『偽物』に言葉をかける。 「・・・・・・アンタ、名前は?」 「自分は・・・・・・海原光貴ですよ」 「ありがとう。海原さん」 そう言い残して、結標と共に、美琴の姿は消えた。 一方通行が表の駆動鎧を殲滅したのだろう。 男の額から汗が流れ始めている。 「運が良かったな、幻想殺し」 しかし銃口は依然、上条を向いている。 「だが、ここから逃げるまでの人質にはなってもらうぞ」 男は一歩、また一歩と上条に近づいていく。 素直に従うつもりはさらさら無い。 上条は一か八かの賭けに出た。 「うおおぉ!!」 上条は銃口から体をそらしながら男に詰め寄る。 男の手を掴み、自分から離すようにしながら男の引き金を握る指を無理やり押させる。 バン!バン!と拳銃に装填されていた6発の銃弾を打ち尽くさせた。 「くっ、この!」 男に手を振り払われ、弾の無くなった拳銃で頭を殴られた。 怯んだ上条は腹に肘打ちをされそのまま蹴り飛ばされてしまった。 井の中の物を吐き出しそうになるが我慢する。 頭も痛く、妙に熱く感じる。その部分を触った左手を見ると、指が赤くなっている。 「手間取らせやがって」 男は腰からギラリと光る物が出てくる。 目に映ったナイフの刃先は、確かに上条に向けられている。 けれども、そこで男の動きは止まった。 カツン、カツンと地面を叩く音がゆっくりと、男の背後から近づいてきた。 その音が終わる。男が振り向き終わる前に、何かが男を吹き飛ばし、壁に叩きつけられた。 男を吹き飛ばしたのは、白い髪に赤い目をした上条とも顔なじみの少年だった。 「・・・・・・一方通行」 一方通行は首のチョーカーのスイッチを切り、怪訝な顔をしながら上条を見る。 「誰だ?お前」 「ぅ・・・・・・この、化け物が!」 男は意識は手放してはいなかった。 一方通行へ向けられた手から炎が飛び出る。 「一方通行!」 上条は一方通行の前に出て、右手で炎を打ち消す。 一方通行はチョーカーのスイッチを入れ直し、地面を蹴り上げ一気に男との距離を縮め、一方通行の手が男の首筋に触れただけで男は顔を地面に付け、辺りは静かになった。 「殺した・・・・・・のか?」 「気絶させただけだ。組織の実態や目的を、あらざらい吐いてもらうからなァ」 そんなことより、と一方通行は上条を見る。 少しばかり、口元をにやけさせながら。 「何でそンな格好をしてンだ?」 理由を話したら一方通行に盛大に笑われた。 落ち込んでいる上条のことなど気にせずに一方通行男を引きずりながら上条を連れて表に出る。 そこには土御門がいた。 「カミやん!・・・・・・じゃない?さっきの携帯に出た娘か」 「あー、土御門。上条は俺だ」 「は?」 土御門が疑問に思うのも仕方がない。 上条はマフラーの中の変声期を取り出し、もう一度声を出す。 「こんな格好してたのも全部、お前のせいだからな」 「学舎の園からずっと?」 「ずっとだよ」 「ぷっ、くく、ふはは!」 「お前にだけは笑われたくないわ!」 上条の言うことなど無視して土御門は笑い続ける。 それにつられたのか一方通行は必死に笑いを堪えている。 「連れてきてあげたわよ。土御門」 空間移動系の能力者だろう。 美琴も一緒に現れた。 それも見て一方通行も土御門も瞬時に笑うことを止めた。 土御門は行って変わって、真剣な表情になる。 「ご苦労だったな結標」 「まったく、今回限りにしてもらいたいものね」 会話をしている2人から、上条は美琴へ目を向ける。 美琴もこちらを見て、目が合った。 「アンタ、怪我してるじゃない」 「お前だって怪我してるだろ」 「ただの切り傷よ」 お互いの怪我を見て、何も言葉は出ず、会話はそこで途切れてしまった。 2、3分の沈黙を破ったのは土御門だ。 「海原から連絡が入った。あっちも魔術師を拘束したそうだ。後始末は俺がやるぜい。お前らは帰っていい」 その言葉を聞き、結標と一方通行はそれぞれ帰っていった。 土御門も、すまなかたぜい、とそれだけ言って歩き出した。 残ったのは上条と美琴の2人だけだ。 「ねえ、そのまま帰るわけにもいかないでしょ?ホテルの部屋借りてそこで着替えましょ」 美琴が買ってきた包帯を巻いてもらってから着替える為の服を選び、美琴につられるままにビジネスホテルの一室に来た。 洗面所で常盤台の制服を脱ぎ、買ってきた服を着る。 やっと上条当麻の姿に戻れた。 けれども、洗面所のドアを開ける気分にはなれなかった。 どうしても思い出すのだ。美琴の頬の傷を。 土御門は言っていた。標的は上条と美琴だと。 もしも、もしも。 (もしも、俺が御坂と会ってなければ) 美琴が上条と共に戦うことはなかっただろう。 美琴が、死にかけることはなかっただろう。 美琴が、あの時怪我をすることはなかっただろう。 (これ以上は、もうダメだ) そう思うと、とても胸が苦しくなった。 ドアノブに掛けた手が動かなくなる。 美琴と顔を合わせるのが怖くなる。 ありがとう、とそれだけ言って去ればいいのに、その次の言葉が頭に浮かんでしまう。 それがどれだけ美琴を、自分を傷つけることかわかっているのに。 着替えるにしては時間がかかり過ぎてる。 シャワーを浴びてる様子でもない。 どうせあの馬鹿のことだ。たとえちょっとした切り傷でも自分のせいだと自分を責めているのか。 誰よりも傷ついて死にかけて、気にする必要はないのに誰よりも責任を感じ1人で何でも背負おうとする。 それがあの馬鹿だ。いつだって美琴は、ついて行くことに精一杯だ。 何分か待って、洗面所からあの馬鹿は出てきた。 トレードマークでもあるツンツン頭ではないが、女装をしてた時よりは断然男らしい。 が、いつもの上条ではない。 時折見せる信念を持った目も、誰にでも接する時の優しい目もない。 ただひたすらに、悲しそうだった。 「御坂。今までありがとうな」 いきなりそんなことを言われ美琴は戸惑った。 「何言ってんのよアンタ」 「でもこれ以上俺と関わるとお前が不幸になっちまう。それだけは、絶対に嫌なんだ」 上条は美琴から背を向け、部屋から出ようとする。 「もう俺達が会うのもこれが最後だ」 (やめて、そんなこと) 「御坂。お前と学舎の園を歩けて楽しかったよ。体には気をつけろよ」 (お願い、待っ・・・!) 声を出せなかった。上条はそのまま部屋から出ていってしまう。 美琴はただ、その場で立ち尽くすことしかできなかった。 この時、何かを言えれば。 この時、あの馬鹿を止めることさえできれば。 あんなに悲しい思いはしなかったはずだと、美琴は後悔した。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/学舎の園脱出作戦
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+※商品数が10個以上あるので隠しています、情報を見る際は+をクリックして表示させて下さい。 とある科学の超電磁砲S 一方通行つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 一方通行つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.9×横4.9cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 御坂美琴つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 御坂美琴つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.6×横5.1cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 麦野沈利つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 麦野沈利つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.8×横5.4cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 御坂妹つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 御坂妹つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.7×横4.9cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S フレンダ=セイヴェルンつままれストラップ とある科学の超電磁砲S フレンダ=セイヴェルンつままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.7×横5.5cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 佐天涙子つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 佐天涙子つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.4×横5.3cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 初春飾利つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 初春飾利つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.8×横4.8cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 白井黒子つままれストラップ とある科学の超電磁砲S 白井黒子つままれストラップ 発売日 :2013年12月31日 商品情報 ・本体サイズ:(約) 縦5.6×横5.9cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 御坂美琴 とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 御坂美琴 発売日 :2013年11月30日 商品情報 ・マスコット部分:約60mm×30mm とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 白井黒子 とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 白井黒子 発売日 :2013年11月30日 商品情報 ・マスコット部分:約60mm×30mm とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 初春飾利 とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 初春飾利 発売日 :2013年11月30日 商品情報 ・マスコット部分:約60mm×30mm とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 佐天涙子 とある科学の超電磁砲S ドット絵ラバー根付 佐天涙子 発売日 :2013年11月30日 商品情報 ・マスコット部分:約60mm×30mm とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 美琴 とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 美琴 発売日 :2013年8月31日 商品情報 ・サイズ:約 60 mm・12間 ・素材:上質紙、プラスチック とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 黒子 とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 黒子 発売日 :2013年8月31日 商品情報 ・サイズ:約 60 mm・12間 ・素材:上質紙、プラスチック とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 初春 とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 初春 発売日 :2013年8月31日 商品情報 ・サイズ:約 60 mm・12間 ・素材:上質紙、プラスチック とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 佐天 とある科学の超電磁砲S ミニ扇子ストラップ 佐天 発売日 :2013年8月31日 商品情報 ・サイズ:約 60 mm・12間 ・素材:上質紙、プラスチック とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのストラップ 大覇星祭バージョン とある科学の超電磁砲S とあるゲコタのストラップ 大覇星祭バージョン 発売日 :2013年7月31日 とある科学の超電磁砲S 美琴Lv.5ストラップ とある科学の超電磁砲S 美琴Lv.5ストラップ 発売日 :2013年8月15日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分約14×ベルト幅2cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 黒子Lv.4ストラップ とある科学の超電磁砲S 黒子Lv.4ストラップ 発売日 :2013年8月15日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分約14×ベルト幅2cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 初春Lv.1ストラップ とある科学の超電磁砲S 初春Lv.1ストラップ 発売日 :2013年8月15日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分約14×ベルト幅2cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲S 佐天Lv.0ストラップ とある科学の超電磁砲S 佐天Lv.0ストラップ 発売日 :2013年8月15日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分約14×ベルト幅2cm ・イヤホンジャックパーツ とある科学の超電磁砲 御坂美琴ストラップ とある科学の超電磁砲 御坂美琴ストラップ 発売日 :2012年4月27日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分 約10cm とある科学の超電磁砲 白井黒子ストラップ とある科学の超電磁砲 白井黒子ストラップ 発売日 :2012年4月27日 商品情報 ・本体サイズ:ベルト部分 約10cm とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 御坂美琴 とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 御坂美琴 発売日 :2012年3月30日 商品情報 ・ストラップ部分サイズ:幅15×長さ100mm ・チャーム(キャラクター)サイズ:約35mm ・チャーム(マーク)サイズ:約30mm とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 白井黒子 とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 白井黒子 発売日 :2012年3月30日 商品情報 ・ストラップ部分サイズ:幅15×長さ100mm ・チャーム(キャラクター)サイズ:約35mm ・チャーム(マーク)サイズ:約30mm とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 初春飾利&佐天涙子 とある科学の超電磁砲 ボタンチャームストラップ 初春飾利&佐天涙子 発売日 :2012年3月30日 商品情報 ・ストラップ部分サイズ:幅15×長さ100mm ・チャーム(キャラクター)サイズ:約35mm ・チャーム(マーク)サイズ:約30mm とある科学の超電磁砲 木札ストラップ 御坂美琴 とある科学の超電磁砲 木札ストラップ 御坂美琴 発売日 :2011年12月17日 商品情報 ・本体サイズ(紐抜き):縦50×横20×厚さ約4mm(両面レーザー彫刻・周囲レーザーカット) とある科学の超電磁砲 木札ストラップ 白井黒子 とある科学の超電磁砲 木札ストラップ 白井黒子 発売日 :2011年12月17日 商品情報 ・本体サイズ(紐抜き):縦50×横20×厚さ約4mm(両面レーザー彫刻・周囲レーザーカット) とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 御坂美琴 とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 御坂美琴 発売日 :2011年6月23日 商品情報 ・本体サイズ:縦105×横45×厚さ30mm(両面4色印刷) とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 白井黒子・制服 とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 白井黒子・制服 発売日 :2011年6月23日 商品情報 ・本体サイズ:縦105×横45×厚さ30mm(両面4色印刷) とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 御坂美琴・制服 とある科学の超電磁砲 クッションストラップ 御坂美琴・制服 発売日 :2011年6月23日 商品情報 ・本体サイズ:縦105×横45×厚さ30mm(両面4色印刷) とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 黒子柄 とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 黒子柄 発売日 :2011年6月25日 商品情報 ・本体サイズ:37×100mm とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 美琴柄 とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 美琴柄 発売日 :2011年6月25日 商品情報 ・本体サイズ:37×100mm とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 佐天&初春柄 とある科学の超電磁砲 ミニ抱き枕ストラップ 佐天&初春柄 発売日 :2011年6月25日 商品情報 ・本体サイズ:37×100mm とある科学の超電磁砲S トレーディングメタルチャームストラップ BOX とある科学の超電磁砲S トレーディングメタルチャームストラップ BOX 発売日 :2013年11月25日 商品情報 ・本体サイズ:全長約4.5cm トイズワークスコレクション びねっと♪にいてんごむっ! とある科学の超電磁砲S BOX トイズワークスコレクション びねっと♪にいてんごむっ! とある科学の超電磁砲S BOX 発売日 :2013年10月31日 商品情報 ・全高:約65mm(平均) ・素材:PVC、金具、真鍮、鉄 ヒモ:ナイロン ぴくりる! とある科学の超電磁砲 トレーディングストラップ BOX ぴくりる! とある科学の超電磁砲 トレーディングストラップ BOX 発売日 :2011年2月22日 商品情報 ・全10種(ノーマル9種+シークレット1種)※1BOXのご購入で全10種揃います ・本体サイズ:約40mm × 55mm
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ら行/PSP ら ラストランカー り る れ ろ
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質問はこちらにお願いいたします。 Exは攻略しないのですか? - k 2012-08-21 23 13 09 DLCはとっくに配信されてますよ - k 2012-08-21 23 13 50 公式ページにも載ってありますよ - k 2012-08-21 23 14 23 ↑主、無視してるな - i 2012-08-22 23 03 42 DLCってもう配信してないの?公式へのリンクが切れてりゅ・・・ - 名無しさん 2013-01-02 23 13 21 現在配信されていることを確認しました。PlayStation®Storeから選択してください。 - psp_railgun 2013-01-22 07 02 37 第三章のチャートで黒子とペアルートの「それより御坂さん、お耳を貸して下さいます?」の下に「CHATIN !!」が入ってスルーすると「休憩・選択」のチャートに移る部分が抜けていますよ。 - 名無しさん 2013-02-12 18 24 07 まああの部分はそもそもゲーム自体でおかしな部分ですが。 - 名無しさん 2013-02-12 18 26 01 「それより御坂さん、お耳を貸して下さいます?」の下に「CHATIN !!」に入らない場合が抜けていることを確認しました。 - psp_railgun 2013-02-14 20 52 12 CHATINってなんですか? ググってもでてこないんでここで教えてください - 匿名 2013-05-15 20 15 43 説明書を読んでください - psp_railgun 2013-05-16 16 32 58 皆さん、レールガンをどれほど愛していますか? - sister 2013-07-15 14 50 47 第一章の最初のガールズトークでジャッジメントの腕章を選択し177支部まで行ったのにルート分岐が出ないのはどうしてですか?お手数をおかけしますがどのような方法でCGを回収したのか教えていただけませんでしょうか - 超電磁砲?? 2013-09-24 10 52 42 第五章のアクションシーンで止まってしまったのですが、どう押せば最初のボタン操作をクリア出来るのでしょうか、クリアした方教えてください - 時雨瑠奈 2014-01-10 12 11 53 名前